
キャンプの休日に近くの川へ筏下りをやりに行った。
4人一組で筏1艘だったので仕方なく僕も乗ることにした。
のんびり納涼川下りを想像していたのに、いきなりライフジャケットを渡されみんなの顔色が少し曇る。
道端で迎えのオンボロピックアップに乗り込む。
到着した川岸には、10本くらいの竹を自転車のタイヤのチューブで縛っただけの本物の筏。。。
絵に描いたような筏。
小学生に”筏の絵を描いてみろ!”と言ったらまさにこんな筏を描くに違いない。
この辺りから完全に笑顔が消えた。
恐る恐る筏に乗り込む。
上手く乗らないと1人でも簡単に転覆させられるすぐれもの。
それに船頭さんも合わせて5人も乗るのである。
完全に無理がある。
全員乗り込んだ段階で筏の上には水が被っている。
出発前から沈んでいる船は、もう沈まない。
船頭は筏の先頭で竿をつかって筏をコントロールする。
残りの4人はは10メートルの筏に等間隔に座る。
しかし一番後ろになった人にはなぜか竿が渡されるのである。
つまり、最後の1人は立って船頭の片棒を担がされるのである。
もちろん事前講習などない。
筏の上で立っているだけでもかなり大変なのに、竿まで持たされる。
でも料金は同じ。
参加者の中で比較的若い方の僕はもちろん最後尾に乗せられた。
完全に後悔の嵐。
はじめは比較的緩やかな流れをのんびり下る。
みんな涼しそうな顔に戻ってきた。
これならライフジャケットなんかまったく必要ない。
少し流れの速いカーブに差し掛かる。
船頭は上手く竿を操り曲がっていく。
僕は竿の使い方が分からず、遠心力で岸のほうに振られ、筏の後ろが岸にぶつかる。
筏が大きく傾く。
みんな必死に筏に掴まりながら僕のほうをにらむ。
慌ててライフジャケットの紐を締めなおす。
僕が悪いのではない。
無免許でトレーラーを運転しろと言われているようなものである。
船頭はわざと筏を揺らしたり、”ヘビだぁ!”と冗談を言ったりしている。
タイ語なので誰にも通じない。
途中、小さな滝のようなものもありみんなびしょ濡れになってしまった。
なんと、この急流下りが1時間近くも続いた。
岸に到着したときの安堵感は最高だった。
チェンマイに行くことがあったら象に乗るよりも筏下りをおすすめする。