8/14/2022

7月10日(日)(その16)

  TG644便を使うときはいつも離陸を覚えていません。席に座ってシートベルトを着けるとすぐに眠りについてしまうのが原因です。シートベルト装着のサインが消える頃に目が覚めたので、シートベルトを外し、座席と座席の間にあるひじ掛けを持ち上げてからゆっくり横になります。コロナ禍になり、機内が比較的空いているので可能な技です。そのまま日本時間の午前5時(タイ時間午前3時)まで、約3時間ぐっすりと寝ることができました。外はまだ薄暗いですが、朝食用の機内食の準備の音がかなりうるさく響いてきます。少し経つと機内の照明が点けられ強制的に起こされます。そして、囚人の様に与えられた食事をもくもくと食べるのです。着陸態勢に入る前までに。

TG644便は定刻より少し早く中部国際空港に着陸しました。前回の4月は、空港内でPCR検査を受ける義務があったので、その結果が出るまで待機が必要でした。しかし、今回はワクチン接種を既定の回数終了しているという条件付きでPCR検査がなくなっていました。相変わらず長い距離を歩かされますが、MySOSの青色の画面を見せながら歩くと、ほぼ立ち止まることなく入国審査場まで来ることができました。入国審査も自動化ゲートになっているので、待ち時間は0です。スーツケースも、すぐに出てきました。税関審査も事前に税関アプリを入れておいたので、無人のゲートを通り抜けるだけです。前回は、ここでゲートが開かないというアクシデントがありましたが、今回はすんなり通ることができました。810分には到着ロビーに出ることができました。Iさんも5分ほど過ぎたころに出てきました。これで僕はお役御免です。どっと疲れが出ましたが、家に着いたらすぐに投票へ向かうことにします。

おしまい

8/07/2022

7月9日(土)(その15)

 7時、ロビーでIさんと待ち合わせをして二人で朝食会場へ行きます。本来ならお昼の12時でチェックアウトしなければならないのですが、レイトチェックアウトにしても1時間ほどしか延長できないので、Iさんの部屋だけ延泊にして、Iさんは夜まで部屋でゴロゴロすることになりました。結果、僕の部屋にある荷物をIさんの部屋に移動させておけば一石二鳥です。朝食後、僕はお昼のチェックアウトぎりぎりまで部屋で過ごし、その後、荷物をまとめてIさんの部屋へ移動しておきました。そして、夕方までTerminal21で映画でも見ながら過ごすことにします。本当ならTOP GUNを観たかったのですが、公開から日が経ち、ちょうどよい時間帯の上映がなかったので、仕方なく日本ではまだ公開前のジュラシック・ワールドにしました。もちろん、音声は英語で字幕はタイ語だったので、ストーリーがチンプンカンプンで玉砕しました。まぁ、エアコンの効いた部屋でゆっくり2時間寝られたと思う事にしました。ひとつ気が付いた事があります。タイでは映画の上映前に必ず国王讃歌的なものが流れますが、昔は、観客は全員起立してそれを聞くのがルールでした。しかし、国王が新しくなり、その文化も廃れてきたのか、その間、館内の若者は誰も起立しませんでした。国王讃歌が流れている間、タイ人が立っていないのに日本人の僕だけが立つのは少し変なので、僕もそのまま座っていましたが、なんだかすごく違和感がありました。

 今日の夜の飛行機、正確には明日の午前0時過ぎのTG644便で日本へ帰ります。夜7時、ホテルへ戻りIさんのチェックアウトをしてから、マッカサン駅までタクシーを利用しました。幹線道路は渋滞しているのですが、裏道は車が少ないので、タクシーは裏道を縫うように駅まで走ります。7時半にマッカサン駅に到着し、そのままエアポートリンクを利用してスワンナプーム国際空港へ向かいます。午後8時に空港に到着し、そのままチェックインカウンターの列に並びました。4月の時よりも列が長くなっているので、日本とタイとの往来もかなり回復してきたということでしょう。順番が来たので、パスポートと陰性証明の画面を提示してチェックインは無事に終了しました。あとは手荷物検査と出国審査の順に進んでいけばよいだけです。夜9時前には空港の制限区域内に入ることができました。コロナ禍前と変わったのは、チェックインカウンターでパスポートと一緒に陰性証明書を見せることだけです。

 出国審査場を出たところで搭乗ゲートの場所を確認してIさんと解散しました。スワンナプーム空港内には、シャワー付きのラウンジがたくさんあるので、僕はそこでゆっくりシャワーを浴びてから遅めの夕食を食べました。Iさんは、残りの現金が120バーツしかなかったので、安めのソフトクリームで空腹を満たしました。

 夜11時半、搭乗開始です。後6時間で今回の長旅が終了すると思うと感慨深いものがあります。

つづく

8/02/2022

7月8日(金)(その14)

 朝、日本から衝撃的なニュースが飛び込んできました。タイでもトップニュースとして取り上げられ、「日本も、もはや安全な国ではない。」という印象を全世界に発信するには十分でした。「明後日、無事に日本に帰れるだろうか?」という心配がありましたが、どうやら単独の犯行で組織的なものではないと、NHKのワールドニュースが伝えているので少し安心しましたが、これで、自由民主党が710日の選挙で圧勝するだろうという事は容易に想像できました。

 10時にPCR検査を予約してあったので、915分にホテルのロビーでIさんと待ち合わせをしました。日本へ帰国するためには、帰国便の搭乗前72時間以内のPCR検査の陰性証明書が必要です。これをもらうためにわざわざバンコクに戻ったといっても過言ではありません。4月の渡航時にも利用したクリニックまでは少し距離があったのでタクシーを利用し、あっという間のPCR検査を受けて、帰りはシーロー(軽トラックの荷台を座席に改造したもの)でホテルへ戻りました。9時半前にホテルを出て、1015分に帰着です。

 午後7時にキャンヘルプタイランドの西川会長と食事をすることになったので、それまでは自由行動としました。と言っても、バンコクでは特にすることがないので、部屋で朝の事件の情報収集をすることにしました。テレビを観て、シャワーを浴びて、またテレビを観て、そうこうしているうちに、PCR検査の結果がメールで届きました。このメールには陰性証明書が添付されているのですが、これを日本の検疫で見せるだけではすぐに空港を出られません。MySOSというアプリに事前に登録しておくことで、いち早く空港を出られるファストトラックを利用できるのです。メールで送られてきたPDF形式の陰性証明書をスクショして画像ファイルに変換し、MySOSのアプリに登録します。このアプリはすごくよくできていて、初めは赤い画面が、登録の進み具合によりだんだん黄色から緑、最後に青に変わります。Iさんの分は明日の朝食時に行うことにしました。

 会長とBTSアソーク駅の次のプロンポーン駅で待ち合わせだったので、たいした距離じゃないと思いIさんと645分にアソーク駅で待ち合わせをして、プロンポーン駅まで歩き始めましたが、たいした距離でした。後で会長に聞くと、BTSのナナ駅とアソーク駅間の距離は高架鉄道の中で一番短いとの事で、完全にそれに騙されました。プロンポーン駅に着く直前にスコールが降り始め、ぎりぎり濡れませんでしたが、駅に着いたのは午後71分でした。僕の完全なリサーチ不足です。西川会長はすでに改札で待っていました。Iさんが“日本蕎麦”を食べたいというので、日本人の比較的多く住むこのエリア(日本人街)での待ち合わせをしました。20年以上タイで生活している会長おすすめの蕎麦屋は駅のすぐ近くにありました。1,000円ちょっとで天ざる蕎麦を食べられるので、店内は日本人で満席です。3人でお腹いっぱい食べて6,000円弱です。Iさん、ご馳走様でした。そのまま、会長と別れ、BTSでナナ駅まで戻り、ホテルのロビーで明日の朝食の時間を確認してから、部屋へ戻りました。

つづく

8/01/2022

7月7日(木)(その13)

 バンコクへ戻る日です。登校前に飾り付けの終わった竹の前で集合写真を撮った後、一緒に「希望の家」へ移動します。Iさんが好きだといった「カサロンの家」から「希望の家」までの田舎道を子ども達と一緒に車に揺られながら走ります。ただの田んぼ道ですが、都会育ちのIさんには感慨深いものがあるのでしょう。僕は似たような風景の中で育ったので、特に何も感じませんが、ただ単純に懐かしくて美しい風景だと思います。ですが、こんなチェンマイの田舎でも毎年開発が進み、徐々に田園風景は失われていくので、この景色が見られなくなるのも時間の問題でしょう。日本もこうやって発展してきたので仕方のないことですが…。

 子ども達のお見送りをしてから、チェンマイ空港へ向かいます。多少の渋滞はありましたが、ほぼ予定通り空港に到着し、バンコクエアーのラウンジで朝食を食べます。なぜ、エアアジアとかノックエアーなどのLCCを使わなかったかというと、バンコクエアーには無料で使えるラウンジサービスが付いているからです。そして、飛行機に載せる受託手荷物も20㎏まで無料なので、費用対効果はかなり優秀な部類に入ります。特に、一緒にバンコクへ行くトゥンちゃんは、翌日そのまま台湾へ渡航するので普段より荷物が多く、できれば追加料金を払いたくないという思惑もあります。僕とIさんは、後は日本へ帰るだけなので、スーツケースの中身はほぼ空です。二人合わせても受託手荷物は12㎏もありません。機内持ち込み手荷物も一人7㎏ですが、ラップトップPCなどの重ためのものは安全のため機内持ち込みにするので、僕の分の受託手荷物は、丸まるトゥンちゃんにプレゼントできます。助け合いの精神です。チェンマイからバンコクへ向かう飛行機はほぼ満席でした。コロナ禍で機内サービスがない代わりに、到着時の飛行機を降りるタイミングで簡単なスナックの手土産がもらえました。

 トゥンちゃんは、そのまま大きなスーツケースを空港に預けます。料金は1150バーツですが、30㎏以上あるスーツケースを転がしながらバンコク市内を往復することを考えると安いものです。空港からバンコク市内へ向かうエアポートリンクという列車を使い、マッカサンというターミナル駅へ向かいます。

 トゥンちゃんは、マッカサンの駅から徒歩1分のホテルを予約しています。僕とIさんは、Iさんの「バスタブ付きの部屋が良い。」とのリクエストで、スクンビットのSoi11にあるアンバサダーホテルにしました。最寄りの駅はBTSのナナ駅なのですが、マッカサン駅から地下鉄でアソーク駅(一駅)まで行き、BTSに乗り換えてナナ駅(一駅)まで移動しないといけないし、ナナ駅からほんの少し距離(200m)があるので、マッカサンからタクシーを利用することにしました。僕一人だったら、マッカサン駅からホテルまで1.5㎞ほどなので簡単に歩ける距離ですが、二人で地下鉄とBTSを使うとそれなりにチケット代がかかるので、近距離でもタクシーを使う方が費用対効果は高いです。日本でタクシーを使うことは贅沢な部類に入ると思いますが、バンコク市内は、2人以上5人未満の移動ならタクシーの方が安い場合があります。「渋滞のない時間帯ならば」という条件が付きますが…。

 マッカサン駅でタクシーを拾い、アンバサダーホテルに無事に到着しました。75バーツでしたが、80バーツを渡しました。現在のレートだと約320円です。アンバサダーホテルは、バンコクでは古い部類に入るホテルですが、バスタブがあり部屋も広く好立地なのに、比較的リーズナブルでコストパフォーマンスの高いお勧めのホテルです。BTSのナナ駅にも近いですし、Terminal21というデパートの隣接するアソーク駅にも歩いていけます。ホテル周辺はハラル料理のレストランが多く、中東方面からの観光客向けのエリアとなっています。

 ホテルにチェックインをして部屋に荷物を置いた後、もう一度Terminal21で待ち合わせをして、その中にあるタイ料理のレストランで夕食を摂った後に、マッサージに行くというトゥンちゃんにIさんを任せて、ようやく解散となりました。

つづく