5/04/2022

2年ぶりのタイ その7 4月19日

  朝から全く落ち着きませんでした。タイ入国5日目なのに簡易抗原検査(ATK)の結果報告の方法の情報が何一つなく、近くにいるどのタイ人に聞いても誰も知らないというばかりです。スマホにインストールしてあるMorchanaのアプリを見せても「へー、そんなのあるんだ。」というワンパターンの反応でした。そりゃそのはずです。入国5日目のATKなんて、タイ在住のタイ人にはまったく関係のないことなのです。でも、まじめな日本人はきっちりとルールを守りたいというのが信条です。とりあえず検査をして写真に残しておくことにしました。自分でやってもいいのですが、誰か抗原検査を経験したことがある人はいないかと探したら、ほぼ全員がアリでした。なぜかというと、ほとんどすべての子ども達が、新型コロナに感染していたからで、3月の後半から4月の前半にかけて、希望の家とカサロンの家でパンデミックが起こり、全員を村から離れたカサロンの家に隔離し、なんとか全員が陰性になるまでの1週間を乗り切っていました。咳や熱が出た子もいれば、無症状の子もいましたが、ほぼ全員が抗原検査で陽性となっていました。つまり、スタッフ達は、計40回以上の簡易抗原検査を実施していることになります。それも綿棒を鼻に突っ込む側として、つまり検査する側としてです。まさにプロフェッショナル。これなら安心して任せられるでしょう。

 スタッフにATKを渡すと、説明書きも見ないで手早く準備を完了し、綿棒の先をこちらに向けられました。心の準備もできないうちに鼻の穴に綿棒を突っ込まれ、右で5秒、左で5秒の計10秒も鼻の穴をグリグリとされ、その綿棒を素早く試薬の入った筒に入れ、少しかき混ぜてから、今度は試薬を検査プレートの丸い穴へ数滴たらしました。数分後、見事にプレートのCの位置に赤いラインが残り、陰性という結果がでました。白紙の紙に検査日と名前を書き、検査結果のプレートとパスポートを並べて、すべて写真に撮っておきました。ここまで5分間以内の出来事。やっぱりプロでした。

 日本時間の午後6時半、タイ時間午後4時半に、僕は、日本とのZoom会議の予定が入っていました。通信環境が未知数だったので、参加できるかどうか微妙でしたが、どうせやるならビーチの見える場所でと思い、準備に取り掛かりました。PCを立ち上げ、スマートフォンのテザリングでネット回線に接続を試みます。この日のために高速通信で15GBまで使用可能な回線を契約しておいたので、YouTubeなどの動画は余裕で鑑賞でき、多分Zoomでも問題ないと思われます。

 名古屋市が主催のボラマッチというイベントの運営協働会議に名古屋NGOセンターの理事として参加するので、あまりふざけたことはできません。今年度初めての会議なので、込み入った話し合いになりそうなら参加はあきらめるところでしたが、多分1回目は自己紹介で終るだろと思い、タイのビーチから参加を試みることにしました。開始5分前になったので、会議室に入室し、挨拶をすると、「今どこですか?」という質問が飛んできました。表情には出しませんでしたが内心ニヤリとしてしまいました。「タイです。」これでほぼすべての参加者に僕の存在を認識してもらえたと思います。インパクトが絶大だし、「この時期にタイのビーチで何やってんだ。」って感じだし。

 夜、車で10分ほどの所にあるマーケットへ行くというので着いていきました。まあ、よくあるナイトマーケットで目新しい物は特に何もなかったのですが、何も買わないのも少し寂しいので、バナナスムージーを買ってみました。なつかしくてあまいタイの味。

 夜中に突然の嵐。嵐と言ってもジャニーズの5人組ではなく、台風の方です。窓を全開にして蚊帳だけで寝ていましたが、強い風が吹き込み大粒の雨も降ってきたので慌てて窓を閉めました。遠くの方で車のクラクションが鳴り響いたり、ガタガタと雨戸も激しく揺れたりして、一晩中強風はやまなかったのですが、朝になると少し穏やかになっていました。

つづく

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