日本時間の午前6時、何となくトイレに起きて、なんとなく外に出てみると、チェンマイからのバスが到着していました。ユースチャリティーファンデーション(YCF)の子ども達カサロンの家と希望の家)とスタッフの総勢50名が、昨日の夕方にチェンマイを出発し、約1000kmを13時間バスに揺られる長旅を終えたところでした。子ども達が食堂に集まってタッサニーさんの話を聞いているところをちょっとだけ覗いてみようと、寝ぼけ眼で離れてみていたら、突然タッサニーさんに名前を呼ばれ、僕も挨拶する羽目になってしまいました。その後、子ども達は自分の荷物をもって大きい子に案内されながら各自のコテージへ分散していきました。さすがに外はまだ暗いので、海の様子は分かりません。ただ波の音が近くに聞こえるだけです。
タイ時間の朝6時、外が白み始めたので覗いてみると、もうとっくに子ども達は海辺に座っていました。多分興奮して眠れなかったのではないでしょうか。チェンマイの山奥から一晩移動して海まで来て、初めて観るこの景色を子ども達がどう感じているのか、心の中を覗いてみたいものですが、それを聞けるだけのタイ語力もないし、話しかけるのも気が引けるほど子ども達の目は真っすぐに海を観ていました。暗い海に時折月明りで白く光る波と波の音の世界から、徐々に明るくなり海面の無限の広がりを感じられるようになった頃、目の前に真っ赤な光が浮かび上がる光景。僕が初めて海を観た時のことをもう思い出せませんが、すでに幾度となく見ている僕でも心揺さぶられずにはいられないのに、初めて見る子ども達にとってはどのくらいの影響力があるのだろうと思ってしまいます。まさしくこれが旅行の本質で、何をしたかとか何を見たかではなく、どれくらい心が揺さぶられたかだと思います。日本の修学旅行の定番と言えば京都・奈良・東京などでしょうが、行先はあまり関係ないと思います。その場所に行って、その一瞬にしか体験できないことを、大人の情報力と財力で子ども達に体験させてあげるというのが修学旅行のあるべき姿ではないでしょうか。娘の中3の修学旅行は、千葉にあるのに東京なんちゃらとかいう場所です。行くこと自体は否定しませんが、1泊2日で63,000円の費用がかかります。金額に見合ったとまでは言いませんが、この子ども達の様に、話しかけるのもはばかれるほどに心揺さぶられる体験をしてほしい物です。僕の今回のこの旅行も、海の日の出を観るためではなく、海の日の出を観る子ども達を見るためにわざわざタイに来たといっても過言ではありません。もちろん、ちゃんと心も揺さぶられましたが。
炊事当番は大きい学生がグループで担当することになっていて、ちゃんとローテーションも決まっていた。そして、メニューまで厳密に計画されていて、総勢60人分の買い出しの事を考えると、そんなことは当たり前かもしれないなと感じました。
今回、タイに来る前に各方面に支援のお願いをさせて頂いただき、そして、多くの方々から総額10万円のご支援が集まりました。それをタッサニーさんに渡すとき、「せっかく海に来たのだから新鮮な海鮮料理を子ども達にお腹いっぱい食べさせてあげて下さい。」とお願いしました。それにより、僕がバンコクへ戻る22日の1日前の21日の夕食時に海鮮パーティーをすることになりました。そして、22日は観光の日だったが、それも急遽21日に変更され、なんか気を使わせてごめんなさい。
夕食は、タッサニーさんの家族とレストランへ出かけた。トゥンちゃんが明日チェンライへ戻るので、その前にゆっくり一緒に夕食をという事みたいだった。車で20分ほどの所にある地元のレストランだが、さすがに休日の夜なので駐車スペースがないほど混んでいて、200席以上ある広い店内も満席の様子でした。定番のタイ料理店で肉も海鮮もなんでもありですが、注文はトゥンちゃんにすべてお任せしました。そして、とにかくタイ語のインプットに専念しました。とにかく今、タイ語に関しては「ならうよりなれろ」です。
夜は、プラセンさんとソムサックと僕の3人で釣りをしました。市場で買った小エビを餌にして、砂浜で遠投すると、すぐに竿に手ごたえがあり、ゆっくり巻き上げると15cm~20cmくらいのキスに似た魚が沢山釣れます。タイ時間の夜9時ですが、日本では11時なのでさすがに眠くなり、コテージへ戻り寝てしまいました。その後、ソムサックが大物を釣り上げたそうです。
つづく
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