7/29/2022

7月6日(水)(その12)

  朝、子ども達が登校した後の静かな食堂で短冊作りを始めました。A4の色紙を適当な大きさに切り、穴をあけて紐を通します。七夕飾りは、YouTubeを見ながら折り紙でそれらしいものを作っていきます。もくもくと作業をしたおかげで、お昼前にはある程度の準備ができたので、昼食はソムタム(青パパイヤサラダ)にします。

いつもなら朝5時に起きて子ども達の食事の準備をするクールが、めったに飲まない薬のせいでお昼前までぐっすりと寝ていました。そのおかげで元気に復活したようで、厨房での調理作業に加わります。その辺に生っている青パパイヤを採ってきて、細長く切り、卓上の臼を使って、トマト・インゲン・干しエビ・ピーナッツ・青唐辛子・ニンニク・ヤシ砂糖・マナオ・ナムプラーなどと和えれば完成です。タイのイサーン(東北地方)では、ここにサワガニなどを加えて、味に深みを出します。後は、カオニャオ(蒸したもち米)とガイヤーン(焼いた鶏)が揃えば、完全なイサーンスタイルの昼食ですが、今回は、ソムタムと朝食の残りです。

 午後、子ども達が帰寮する前に短冊を飾る竹を準備します。「カサロンの家」のスタッフのルンチュアイに鉈を借りて、適当な竹を探して切り倒そうとすると、手伝ってくれました。普段はあまり人との関りを持ちたがらない寡黙な年配の男性ですが、仕事はキッチリです。特に子ども達からの信頼も厚く、主な仕事は子ども達の送り迎えと家畜の世話などで、「ルンチュアイ」の「ルン」はおじいさん、「チュアイ」は助けるという意味なので、まさにお助けマンです。少し長めの竹を切り、枝を払って、適当な長さにして軒下に縛り付けました。あまり竹の背が高くても短冊を縛るのが大変なので3.5mくらいの長さにしましたが、軒端に揺れる感じは再現できました。そこに手際よく飾り付けをして、短冊もお手本で5枚くらい縛り、準備完了です。

 夕方、子ども達が戻ってきました。軒下の竹を見た小さな子たちはちょっとした興奮状態だったので、「まずは水浴びをして着替えてから。」と短冊を欲しがる子ども達を制します。いつもよりも早く水浴びをして戻ってきた子ども達に「なんでもいいから願い事を書くんだよ。」と短冊を3枚づつとペンを渡しました。小さな子ども達は、短冊に絵を描いています。大きな子は、「4がとれますように。」と日本語のひらがなで書きました。“4”は、日本でいうところの通知表の“5”に当たる数字で、成績の最高点です。これを短冊にスラスラと書いたので、ついさっき学校で同じことをしてきたばかりだと、すぐに分かりました。あとは、「歌手になりたい。」とか「お金持ちになりたい。」とか全世界共通の「子どもの夢」が書かれた短冊がたくさんできました。短冊を書き終えた子から順番に軒下の竹へぶら下げていきます。なんとなくそれらしくなってきました。明日の朝、学校へ行く前に皆で写真を撮ったらおしまいです。
つづく

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